うちには和犬雑種のシロという犬がいます。
シロは子犬の時に保護されました。
子犬の頃からトレーナーとレッスンを行ったり、幼稚園に通ったりしており、私たちにとっては「問題なんて起こるはずもない」「ちゃんと子犬の頃からしつけているのだから安心」 だと思っていました。
ですがシロが生後半年を過ぎた頃、家族を噛みだしました。 私はシロが8ヶ月〜1歳ぐらいまでの間、日本を離れていたので、 シロが最初に「噛みつき」をするようになった時、私はその場にいませんでした。
応急処置として、シロを家の一角に隔離して、なるべく人と接することのないように対応しました。
私がシロと再会したのがシロがちょうど1歳ぐらいの時です。
その時のシロは家の外で興奮がものすごく、 散歩中はリードを噛みちぎったり、 散歩している家族に対して飛びつき、身体中を噛みつき、 家族の洋服はビリビリにやぶれ、体はあざだらけでした。
ですが家の中では極度に怖がっているように伺えました。 小さな物音でテーブルの下に隠れ、 部屋の中に変化があると角っこで固まったり。
そして、いろんなことに反応して、本気で噛み付いてきました。
しかもシロが反応するものとは、特定の人間やその人たちの話し声。 または家の中の生活音。
ドアが開く音に噛みつき、カーテンを閉める音に噛みつき、 人が話す声に噛みつき、特定の人が見えた時に噛みつき、などなど。
複数のトレーナーを訪ね、行動を専門にしている獣医のところに行き、 オンラインで海外のトレーナー・犬の専門家達に相談。
ですが誰もシロがなぜ家の中で噛みつかなくてはいけないのか、 シロの噛みつきの原因がなんなのか、分かりませんでした。
「噛むのは諦めるしかない」と言われましたし、「あなたがなめられているだけ」とも言われてきました。
「噛みつき犬」というラベルを貼られてしまっていたシロ。 そんなシロの味方についてくれる人がいないように感じました。 どうにかしてやりたい!と思っていても、 噛まれる回数が増えるにつれ、 シロが近くにいるだけで「怖い」と感じるように。
なのでシロを完全にサークルで住み分け、シロから距離を置きました。 自分でシロを遠ざけました。
飼い主なのに何もしてやれないことが悔しくて、近くに行くことさえも出来なくて、 そんな自分が情けなくて、シロの行動が何一つ理解できなくて、 シロに対しての罪悪感でいっぱいでした。
それでも何もしないわけにはいかないと、今まで通り「トレーニング」を続けました。犬をトレーニングするとていう考え自体がおかしいってことに、 MASUMI さんから教えていただいたのですが、あの頃はシロの問題を「トレーニング」することでいっぱいでした。
今までのトレーニングはというもの、 おやつばかりの、いわばポジティブトレーニング。 私は最後までポジティブトレーニングにこだわっていました。 それはなぜかというと、ポジティブトレーニング以外は全て「虐待」だという認識があったからです。(洗脳されてました、笑)
私がシロにまず教えたことは YES でした。 シロに NO なんて言ったこと、一度もありませんでした。 犬には NO なんて必要ないと思っていたし、犬を叱るのはダメ。 道具なんて犬を苦しめるだけ。
でも、そのせいで、シロを長い間苦しめていました。 人間がどういう生き物で、人間社会がどんなところで、 人と一緒に暮らすとはどういうことなのか。
人と共存する上で必要なルールなどを全く教えず、 おやつを頼りに芸事ばかりを教え込んでいました。
シロの性格や不安や恐怖など、そういうところを見ず、 人間の生活に慣れさすこともせず、「犬」を知らない私は、 しつけ本やトレーナーから言われたことを特に考えもせず、 ただテクニックだけでやり通していました。
今まではシロを大切にしているから叱らないで、シロの意思を尊重したいと思っていました。(全然、尊重もできていなかったんですけどね)
でも、自分の犬を大切にしているからNOを教えない・叱らないのではなく、 大切だから、守りたいから、安心して暮らして欲しいから、 だからこそNOを教えるんだと、MASUMI さんから教えていただきました。
MASUMI さんのマニュアルは衝撃すぎるほどのインパクトと説得力があり、 すぐにカウンセリングに申し込みました。
ちょうどアカデミーも数日後だったので、アカデミーにも参加してみることにしました。
アカデミーは「すごい、、、」の一言につきます。
全てが全て新鮮すぎて、MASUMI さんの犬を見る目、それの伝え方、 その全てがすごすぎて、、、MASUMI さんならシロのこと、少し教えてくれるかも!と初めて希望を持ちました。
迎えたカウンセリング。
MASUMI さんは「少し」どころか、私がずっと分からなくて、 いろんな人に聞いてもみんな分からなかったシロの「なぜ」を全て、教えてくださいました。
時間を大幅にオーバーして、永遠にシロのことについて話し続ける私に付き合ってくださり、シロについてものすごくたくさん教えてもらいました。
初めて、自分がどんな犬を飼っているのか、シロはどんな犬なのか、を知ることができました。
犬と一緒に生活する事なんて諦めていた私に、 「大丈夫よ〜」「お先明るいよ〜」 なんて言葉をかけてくれた人は MASUMI さん以外にいませんでした。
そんな MASUMI さんの余裕(=強さ)に救われた気がします。
メールセッションでまず気づいた事。
それは、自分が自分の犬をどれほど分かっていないかでした。 そして、自分がどれだけ犬の知識がないのかも、何度も思い知らされました。 私はこう思っていても、実は犬はこう思っている、、、 ボディーランゲージ含め、シロのことを全く読めないので、 代わりにMASUMI さんがシロの代弁をしてくださいました。
MASUMI さんがいつも言っている、「犬を知れ!」 私って、本当に知らないんだな、、、と思うことばかりでした。
ですがその気づきがあったおかげで犬目線で物事を考えてみよう、犬のことをもっと学ぼう、と思えました。
セッション開始時はリードさえもつけることが出来なかったです。 リードをつけられてパニックになるシロに、私がパニックになり、 犬と人間が一緒にパニックになるという状況(笑) 変わらなくてならないのは、シロではなく私の方でした。
恐る恐る近寄って、「怖いな、噛むんじゃないよ、、、」なんて思いながらリードをかけようとしてた私。 そんなやつにリードでコントロールされてたまるか!とシロに思われても本当に仕方がない、、、 ビクビクしているのは、シロではなく、むしろ私の方。
動画を撮り、自分の姿を自分で見て、自分が犬にどう映ってるのかを実際に見ること、これがすごく大事だったと思います。
怖がっている私の背中を押してくれ、何か一つでも出来たら褒めてくれ(これがものすごく嬉しくて) 出来ない時はストレートに指摘をしてくださり、 焦ったり心配したりする私にも気長に付き合ってくださりました。
「ビビってちゃ守れない!」というMASUMIさんの言葉になんど奮い立たされたことか、、、一つ一つ出来ることが増え、少しずつ自信がついていき、 気がついたらシロとの関係性が以前と少し変わっていました。
以前はシロが嫌がるから、怖がるからかわいそう。 だから嫌がることはさせない(噛まれるし)。 でも、それはすごく無責任なことなんだと、メールセッションを通じて気づきました。
犬が人間社会で飼われるという事は、ものすごくたくさんの 「嫌な事」に遭遇するという事。
自分の犬を人間社会で生きやすくするために、諦める力をつけさせる。 もちろん、これは人間に被害を与えないためにも大切です。
でも、諦める力とは、犬がパニックにならずに、慌てないで安心して暮らせるようになるためには必要不可欠な事なのだなと。
「与えるだけが愛じゃない」 これもMASUMIさんになんども言われ、今でもわかったようでわからなかったり。
今のシロはというと、家の生活音でパニックになったりしないですし、 飛びついて噛んだりもしないです。
近くに来られて私が「怖い」と感じることもないです。 最近は一緒に遊んだりもしています(以前は犬と遊ぶことさえもできなかったです)。
シロが私の周りをウロウロしたり、私の足元で寝たりと、 まだまだお互いがお互いを知ろうとしている段階ですが、 少しずつ繋がってきている感覚があります。
セッションが終わる頃、私の中には一切の迷いがありませんでした。 もしまた壁にぶつかったとしても、Doggies 911 の皆様がいる。
なので私は安心して、自信を持って、シロと向き合っていけます。
まだまだ家庭犬シロとの生活に私は日々葛藤・勉強中です。 これからもメルマガやアカデミーを通じて、犬のことを学ばせて頂く事を楽しみにしています。
シロから学ぶ事は本当にたくさんあり、 私にたくさんの学びのチャンスを与えてくれたシロには心からの「ありがとう」を伝えたいです。
床掃除の時、シロは今も歯をちらつかせ、ムキムキしています。 (昔はギャンギャンに噛んで来ていました)
でも、そんなシロの小さな抵抗が可愛くて(笑) シロには申し訳ないけど、ムキムキされて、フフフって心の中で笑い返している自分がいます。
最近は「ムキムキ可愛いね〜」なんて言いながら床掃除をしています。 最後にはちゃんと NO で諦めてくれるシロ、本当に成長しました。
犬と繋がる、これ以上の幸せはないです。
MASUMI さん、ここまで導いてくださって、本当にありがとうございました!
事務局の青海さんもいつも暖かくフォロー&応援をしてくださり、心より感謝しています。
これからもどうかよろしくお願い致します。
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